« 映画「ターネーション」 | トップページ | 映画「メトロで恋して」 »

2005/10/03

映画「蝉しぐれ」

心に染み入る名シーンの数々に、ただただじっと魅入った。そして映画が終わった時、この映画を見られたことが本当に嬉しかった。

超大作や話題作も下手をすれば見せ場が何箇所かあってあとは退屈なものばかりということが少なくありません。しかし本作は一切そんなことはありません。保障します。

幼少時代の文四郎とふくを演じるのはそれぞれ石田卓也と佐津川愛美。二人の演技の素晴らしさにはとても驚かされました。主人公の幼少時代って結構おざなりにされることが多いように思うのですが、この映画全体の半分近くは彼らが主役としてしっかりと支えています。

とにかくこの映画の宝はふくを演じた佐津川愛美ではないでしょうか。少女の素朴さと純朴さ。それでいて文四郎に思いを寄せる心の揺れ。そんないろんなものを詰め込んで魅せてくれた。本当に拍手を送りたい。

父親のなきがらを引き取り、坂道を登るシーン。精一杯力を込めてものぼれない坂道を向こうから現れてくるふくが一生懸命に手伝う。そして坂道を乗り越えていくのですが、その時の二人の表情がとてもよかった。本当にこのシーンは名シーンだと思う。このシーンがこの映画の象徴ともいえるものだと私は思います。


そして青年期になると市川染五郎と木村佳乃。

市川染五郎は「阿修羅の瞳」ですっかりと魅せられたのですが、本作でもそれは変わりありません。やはりその立ち振る舞い。日本人としてあるべき姿が彼に見出せるといっても過言ではない。凛々しく気高い。素晴らしいじゃありませんか。

木村佳乃もとてもいい。やはり現代女性のイメージでは元気イメージがどうしてもついてしまうが、本作ではとにかくしっとりとした女性を演じる。柔らかく包み込んでくれるようなそんな女性である。


そして何よりもよかったのが、こまめにはさまれる風景シーン。ひとつの物語の余韻を楽しむかのようにふっと入り込み、静かに心を静めてくれる。映画全体の印象がとてもしっかりと心に食い込むように残っているのはこのひと時があったからだと思うのだ。

まったくもって素晴らしい映画。名作の太鼓判を押したい。

|

« 映画「ターネーション」 | トップページ | 映画「メトロで恋して」 »

映画」カテゴリの記事

コメント

ニャンゴロたちが、見せ場や、映画とか、名作とかを拍手するはずだったの。


投稿: BlogPetのニャンゴロ | 2005/10/04 10:40

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11101/6227537

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「蝉しぐれ」:

« 映画「ターネーション」 | トップページ | 映画「メトロで恋して」 »