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2005/09/25

映画「いつか読書する日」

本棚を見ればその人のことが分かるという。何を考えて何に興味を持っているか。それが本棚の中に現れるのだ。

中年カップルの恋愛話からそう像もできないくらいとても綺麗で純情な物語。30年思い続けてとても身近にその人は存在するのに、思いを告げることなく毎日を過ごしていく。

朝は牛乳配達に始まり、昼はスーパーのレジ打ち。そして夜になればひとりで読書をする毎日。決して貧乏などというわけではないのだろうが、毎日をくたくたになるまで一生懸命に生きている。しかしそれは充実した毎日なのだろうか。

印象的だったのは夜別途の中で読書をする姿。本に囲まれて入るが、静かに響くのはページをめくる音。そして涙。

片思いの相手高梨槐多もまた平凡ながらも毎日を生きている。平凡な毎日の中にも喜びを見出すタイプなのか、出勤途中花を愛でながら詠む俳句が趣味なのだろう。下手だがほほえましい。

そして心憎いばかりの片思いのすれ違いを描くのは、大場が牛乳配達をするときと二人が出勤途中で行き違う電車。お互いの存在に気づいていながらそちらに向き合おうとしないその姿がなにかいじらしいというか、切なくなる。

真面目で平凡に生きてきた二人。真面目だから一途に思い続けてきたのだろう。

大場はきっとこれからも読書するのかな。

§

いつか読書する日
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美人の日本語

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